Drにとって、開業に最も適した年齢とは?

目次

  • 開業には「ステップ0」がある
  • 開業年齢を考える5つの視点
  • ① Drとしての実務経験
  • ② 開業Drに求められるスタッフ管理スキル
  • ③ 開業に必要な気力・体力・情熱
  • ④ 家族構成と開業時期
  • ⑤ 開業に対するご家族(特に奥様)の理解
  • 開業適齢期のまとめ
  • 最後に|開業を決断する先生へ
これまで私は、医科・歯科Drの開業相談を100回以上お受けしてきました。
本章では、その経験をもとに、「Drは何歳で開業するのがよいのか」について、医療専門の税理士の視点から整理します。

開業には「ステップ0」がある

Drが開業する際、一般的には次のような流れを踏みます。

ステップ1 開業場所の選定

ステップ2 銀行との借入交渉

ステップ3 スタッフの採用

ステップ4 広報活動・患者獲得

しかし、これらの前に必ず考えるべきなのが、
ステップ0 「いつ開業するのか(開業年齢)」という判断です。

開業年齢を考える5つの視点

① Drとしての実務経験

開業にあたって、一定の実務経験は欠かせません。
ただし、医療技術や知識の修得にゴールはありません。

実際に開業されている先生方の多くは、

• 患者さんと信頼関係を築くコミュニケーション
• 難症例は連携医療機関へ紹介

という考え方で、無理なく開業を実現されています。
「医療技術が完璧になるまで開業を待つ必要はない」という点は、ぜひ知っておいていただきたいところです。

② 開業Drに求められるスタッフ管理スキル

開業すると、医師であると同時に経営者になります。
つまり、スタッフをまとめる立場になるということです。

スタッフにはそれぞれ個性があり、

• 院長と合う・合わない
• それぞれの業務の得意・不得意

も存在します。
開業Drには、スタッフの長所を見つけ、育てていく姿勢が求められます。

勤務医時代にリーダー経験があれば理想的ですが、そうでなくても

• 部下や後輩の指導
• 部下や後輩の相談に乗る

といった管理者特有の経験をコツコツ積むことも「院長になる準備」だと心得て、積極的に取り組んで下さい。

③ 開業に必要な気力・体力・情熱

開業は、精神的にも肉体的にも大きなエネルギーを要します。
そのため、気力・体力・地域医療への情熱が充実している時期に開業することが重要です。

この点においては、
開業は若いほど有利と言える側面があります。

④ 家族構成と開業時期

お子様が将来、医師・歯科医師を目指す場合、
特に私立医学部・歯学部では、6年間で4,000万円以上の学費がかかることもあります。

そのため、開業のタイミングとしては、

• 子どもが小学校低学年までに開業
• 開業後3~5年(子供が小学生の間)で経営を安定
• その後に学費準備

という流れを選ばれる先生が多い印象です。

⑤ 開業に対するご家族(特に奥様)の理解

開業すると最低でも数千万円、診療科によっては数億円の借入を背負うケースもあります。

独身であれば本人の意思だけで決断できますが、
ご家族がいる場合は、家族の理解が不可欠です。

特に、開業初期の苦しい時期に、
精神的に支えてもらえるかどうかは、開業後の経営に大きく影響します。

開業適齢期のまとめ

医院開業のタイミングは、次の5つが最もバランスよく重なる時期です。

• 実務経験
• スタッフ管理力
• 気力・体力・情熱
• 家族構成
• 家族の理解

私の経験では、これらが自然に重なりやすいのは
30代半ば〜40代前半であることが多いと感じています。

最後に|開業を決断する先生へ

私自身も40歳で開業しました。
当時は「まだ早いのでは」という不安と、「今しかない」という思いの間で揺れていました。

結果として、
気力と体力が充実していた時期に開業を決断できたことは正解だったと、今は感じています。

この文章が、
先生ご自身の開業時期を考える一助になれば幸いです。